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ブラックホールの初撮影
国立天文台など世界約80の研究機関による国際チームは10日、ブラックホールの撮影に初めて成功したと発表した。
ブラックホールは、物理学者アインシュタインの一般相対性理論を基に約100年前に予言された天体だが、周囲の現象などから間接的に観測することしかできなかった。
今回は存在を証明する初の成果となる。
撮影したのは、地球から約5500万光年(1光年は約9兆4600億キロメートル)離れた「M87」という銀河の中心部にある巨大ブラックホール。
南米チリの「ALMA」など世界8か所の電波望遠鏡で一斉に観測したデータから、極めて高い解像度の画像を合成した。
その結果、ブラックホールの周囲で強く輝くガスの中に、黒い「穴」が浮かび上がった。穴の中心にブラックホールの本体があるという。
ブラックホールは重力が非常に強く光さえも脱出できないため、観測は極めて困難だった。М87のブラックホールも周囲の電磁波から存在が推定されているだけだった。
多くの銀河の中心には巨大なブラックホールがあり、銀河の形成に重要な役割を果たしたと考えられており、宇宙の成り立ちの解明につながる大きな一歩になると期待される。
(下の画像は今回撮影されたものではありません)
画像はPixabayのものです。
大質量の恒星が一生の最後に自らの重力でつぶれて生じるとされる天体。
独の天文学者が1916年に存在を推定した。
銀河の中心には太陽の100万~100億倍の質量を持つ巨大ブラックホールがあるとされる。